肯定座 第5回公演
作:信本敬子 演出:ナカマリコ
女だらけの一軒家。あの子は台所で朝食を作ってる。
階段を駆け上がる君。お風呂の水が溢れだす。縁側から風が吹いた。
柱のトゲトゲ 空から降ってきた瓦 猫は真ん丸 柘榴は一度しか実らなかった。
あの時、わたしたちは同じ場所にいたね。
いつまでも、あの時間がつづくなんて思ってなかったケド。あんなに突然のお別れをするとも思ってなかったよ。
思い出って匂いで甦ると思ってたけど。思い出すのは私たちの音ばかり。
懐かしい音たちが いまも わたしの耳の奥で息づく。
市橋朝子(タテヨコ企画) 江間直子(無名塾) 菊池美里(ドリームダン)
塩塚和代 辻川幸代(ニュアンサー) 平田暁子(年年有魚)
Quartet Online、箱空
肯定座
肯定座の公演も気が付けば第5回(1.5回公演を入れれば実質6回)
月並みだケド…本当に“あッ!”とゆう間に過ぎてきた。
旗揚げから私が観たい芝居を心掛けて沢山の方々のお力を借りてきました。
そろそろ、私の観たい芝居+にすべく、新たな方との縁があり
演出して出演するコトを決意しました。
だのに…決意した時から、吐き気と眩暈と頭痛に悩まされ…
今もキーボードを叩きながら緊張しています。
これは千穐楽まで続くコトでしょう。
そんな奈賀毬子を今回支えてくれるキャスト陣は女のみ。
ルームシェアの話。私も9年間7人で住んでいた事がありました。
大きい一軒家でした。
愉しいコト腹立つコト悔しいコトくだらないコト…
他人と生活習慣を共有するコトに、とても苦労したケド。
凄く濃密な9年間でした。
立ち退きで、それぞれバラバラになり、私が新居に落ち着いた頃 その一軒家の前を通ったら
駐車場になってました。まだ、2か月しか経ってないのにっ!
桜の木も柿の木も藤棚も全ての草木が無くなっちゃってました。
なんとも遣り切れない思いで、その駐車場に立ち
「ここにストーブがあって。ここに階段があって」
と、深夜に一人、泣きました。
そーいえば…今まで、私が感傷的に感じた事を題材にしていなかった。とゆうか、してこなかった。
そっか。それを演ろう!
これが、ルームシェアのお話しの始まりです。
ダラダラ書きましたが、分かり易く楽しめる作品創りが肯定座のモットーですので
感傷部分は内包していて下さい。
お客様ありきのフィクションです。
ご来場を心よりお待ち申し上げております。
2015年 晩秋 肯定座主宰 奈賀毬子